海外では仕事と学位が密接に関連している
日本では就職する時や転職する際に、大卒である事は求められたりしますが、特定の学部を卒業している事が条件になっている事は多くありません。 例えば、ある企業のマーケティングの仕事の応募条件に商学部を出ている事が条件になっている事は少ないですよね?
それに対し、海外では、マーケティングの仕事であればマーケティングに関連する学部であったり、会計の仕事であれば会計に関する学部を出ている事が求められます。 営業職に関しては分かりませんが、何らかのスキルが求められる仕事はほとんどがそうです。 ソフトウェアエンジニアの場合なら、Computer Science関連の学部ですね。 海外の求人を見ているとはっきりと書かれており、ここタイでも同様です。
日本と海外では学位への捉え方が違う
これらの違いは一体何でしょうか?
これはおそらく、日本と海外では「大学を卒業している事」についての捉え方が違うのではないかと思っています。
どういう事かというと、海外では仕事をするために必要な知識や経験を得るためにその大学に行くし、その学部を卒業します。 だからこそ、大学での成績が重要視されます。GPA(という大学の成績の平均点のようなもの)がいくらか、というのはResumeに明記するのが普通のようです。 また、社会人になってからでも、より専門的な知識を得るために大学院に行く人も多いです。そして、それがキャリアにつながります。
日本では、マーケティングの学科や物理学科を卒業いている事にあまり意味はなく、文系の学部を出たのか、理系の学部を出たのか、という程度の差しかありません。 また、大学を卒業したから、仕事で必要な基礎的な知識を有しているとは考えてもらえません。 そのため、どこの大学を卒業したのかという点だけが強調されてますし、社会人になってから大学院に行く人は多くありません。また、企業にもあまり評価してもらえないようです。
学問と会社との乖離
では、日本ではなぜ大学や大学院で得たものを企業は評価しないのでしょうか?
企業で求められるものと大学で得るものに乖離があるのではないかというのが僕の仮説です。
海外の大学では仕事で求められるものをどんどん授業や教科に取り入れていて実践的なものを教えていますが、 日本では実社会での需要と大学の内容が乖離しているのではないでしょうか。
例えば、人工知能・AIや機械学習がいま人気となっていますが、日本ではそれを専門で教える機関はまだまだ少ないと思います。 アメリカではデータサイエンス専攻の学科などがたくさん出来ていて、とてもスピードが早いです。
また、企業側も即戦力となる人材を求めるニーズが日本と海外では違うようにも思います。
日本では新卒はみんなポテンシャル採用であり、会社が育てていくという側面が強いです。その結果、採用する時点では専門知識があるかないかという事よりも 優秀かどうか、やる気があるかどうか等が重視されるようにも思います。ひるがえって、それが大学の教育方針にも影響しているようにも考えられますね。
どちらが良いかは人によりますが、僕は大学での成績が正当に評価されるべきだと思いますし、社会で求められる知識を得られる事には とても意味があると思います。もう少し、日本での大学や大学院への考え方が変われば良いのに…と思ったのでした。